購入に際し売却理由を確認できますか?また、売却理由を原因とし...
結婚を機に中古マンションを購入予定です。新たな生活のスタートという節目での購入ということもあり、前オーナーが資金難や離婚など「縁起の悪い」売却物件を避けたいと思っています。事前に売却理由を確認することは可能でしょうか?また、契約後に理由が判明した場合にそれを理由に解約は可能でしょうか?
プロのアドバイス
結婚という新たな生活のスタートに「縁起の悪い」ネガティブな要素を持ち込みたくないというお客様のお気持ちは良く分かります。そのうえでまずは法的な解釈からご説明しますと、まず、売主の売却理由については、購入希望者に重大な不利益をもたらすおそれがある事項については買主に対して重要事項として説明義務が生じます。これは、自殺など心理的瑕疵といわれるものが該当します。一方で、宅建業者は売主のプライバシーを他者に漏らすことは禁じられています。そのため、売主が希望せず、心理的瑕疵にも当たらない情報については買主側の宅建業者が知り得ない可能性があります。なお、任意売却については「任意売却物件であること自体は購入希望者に重大な不利益をもたらすおそれがあるとはいえない」とされた裁判例もあり、「縁起が悪い」というだけで白紙解約を行うのは困難と考えられます。
ここまでが法的な解釈ですが、一般的には売却理由というのはある程度確認できるものになります。事前に買主側の宅建業者に理由を確認し、ネガティブな理由であれば検討は難しいことを伝えておくとトラブル防止になるかと思います。