修繕積立金の値上げに基準はないのですか?...
以前住んでいたマンションは新築時に修繕積立金が非常に安く、当初は月々の支払いが楽だったのですが、大規模修繕工事の際に大幅値上げとなり苦労して売却する羽目になりました。修繕積立金について何か基準などはないのですか?
プロのアドバイス
新築分譲時に販売しやすくするために修繕積立金を異常に安く設定し、分譲後に値上げするという手法が新築マンション業界では当たり前のように行われていました。しかし、杜撰な長期修繕計画等により一気に2~3倍もの値上げを余儀なくされるマンションも出るなど一部では裁判に発展したケースもありました。こういった修繕積立金をめぐる諸問題に対し、国土交通省も2024年2月に修繕積立金に関する方針を策定しました。
具体的には、
① 分譲時の額が低くなりすぎないよう修繕積立金徴収額を均等で割った額を基準額として0.6倍以上を新築時の徴収額とする
② 修繕積立金の基準額からの値上げ幅は「1.1倍以内」に抑える(新築時の徴収額を基準額の0.6倍とした場合は最大1.8倍)
となります。
今後はこの基準に沿った運用が原則として求められますので、大幅な値上げというのは減ると思われます。